技術情報
2021.06.30
クリーンルームにおける空気のキレイさには、古くは米国規格FED-STD-209Eによって、そして昨今では国際規格ISO 14644-1によって提供される等級分類が、その管理指標として広く用いられてきました。
この「空気清浄度Class」は、空間の「浮遊微粒子」濃度によって下表のように表されます。
一般に空間の「浮遊微粒子」濃度は、クリーンルームの設計時に備えられる換気システムによって「制御」され、エアパーティクルカウンタによる「監視」で、「空気清浄度 Class」管理目標値の達成が確認されます。そして多くの場合に5μm以上の粒子は、この「浮遊微粒子」濃度の「監視」において非常に少ない又はゼロとして表示され、それによってクリーンルーム内に存在していないと考えられることもしばしばありました。
しかしながら、これは5μm以上の粒子、すなわち「粗大粒子」の持つ、より小さな「浮遊微粒子」とは異なる特性がもたらす「錯覚」であったことが、2021年に規格化されたISO 14644-17によって示唆されています。
これによって、5μm以上の「粗大粒子」がリスクとなる製品の品質管理において、「空気清浄度 Class」の管理だけでは不十分であることが示され、「PDR:粒子堆積率」という指標を用いて製品への汚染リスクをより直接的に評価する方法論が提議・可決されました。
「PDR」について詳しくは: 「PDR」を用いた汚染リスクアセスメント
汚染リスクアセスメントの導入をサポート: コンサルティング